年頭のご挨拶 

(公財)千鳥ヶ淵戦没者墓苑奉仕会

                       会長  津 島  雄 二

         

 

明けましておめでとうございます。              

皆様にはご家族ともども恙なく新春をお迎えになられたこととお慶び申し上げます。

今年も又、こうして穏やかな新年を迎えることができました。今日このような日本の当たり前の事も、かの大戦において、かけがえのない尊い一命を捧げられた多くの戦没者の皆様の礎の上に築かれているものであることに想いを致し、新春にあたり心から全戦没者の皆様に対する哀悼と感謝の誠を捧げたいと存じます。

ところで今年は、今上陛下のご退位、それに伴う皇太子殿下の陛下ご即位の年にあたり、平成から新たな御代に至る歴史的時期を迎えることになり、感慨深い思いでいっぱいであります。

今年は又、千鳥ヶ淵戦没者墓苑に於きましては墓苑創建六十周年の記念すべき年でもあります。昭和三十四年三月二十八日、昭和天皇皇后両陛下の行幸啓を賜り竣工されて以来、六十年の歳月が過ぎました。戦後間もなく世相混乱の中、墓苑の創建に携われ、又その後は戦没者の慰霊奉賛に多大なご尽力された方々、並びに奉仕会の活動にご支援、ご協力頂いた多くの皆様のご芳情に思いを致し、この記念すべき年の始めにあたり今一度原点に立ち、戦没者墓苑奉仕会業務に邁進したいと念じている次第です。

顧みますと、昨年十月十八日の、わが奉仕会最大の事業であります「秋季慰霊祭」にあたりましては、ェ仁親王妃信子殿下のご臨席を仰ぎ、また各方面のご支援とご協力を頂き、厳粛かつ盛大に式典を挙行することが出来ました。ここに関係各位の皆様方に対し心から御礼申し上げます。

また、戦没者の慰霊奉賛におきましては、年間を通じ遺族会、戦友会、並びに篤志団体による慰霊行事、宗教団体の慰霊法要等が行われ、又多くの一般の方々のご参拝を頂きました。 改めて国民の皆様による戦没者への慰霊奉賛の志に対して心から敬意を表するものであります。

千鳥ヶ淵戦没者墓苑には、昨年、新たに千八百五十二柱が納骨され、現在三十六万九千百六十六柱のご遺骨が奉安されています。当墓苑に祀られますご遺骨は、先の大戦における海外での全戦没者、二百四十万人を象徴するものであり、当墓苑は全戦没者追悼の聖苑にほかなりません。 私どもはこの墓苑を日本国民全体の聖苑として、各方面から幅広く、子々孫々まで、末永く奉賛されるよう日頃から努めて参る所存であります。

一方で、未だ海外各地には百十二万余の多くの戦没者ご遺骨が残されており、一刻も早く、一柱でも多くのご遺骨の祖国へのご帰還が待たれます。「戦没者の遺骨収容推進に関する法律」に基づく今後の遺骨収容が、大いに進展することを期待するものであります。

戦後七十三年が経過し、戦友会、遺族会の方々の高齢化も進んでおります。私どもは、先の大戦の記憶と、戦没者に対する慰霊奉賛の心を風化させることなく、確実に次の若い世代に引き継いでいくことが喫緊の課題であると思っております。どうか皆様におかれましては、戦没者慰霊奉賛の輪が更に広げられますよう、今後とも引き続き温かいご支援を賜りたくお願い申し上げます。

新たな年の皆様方の一層のご多幸とご健勝をお祈り申し上げまして、年頭のご挨拶と致します。