年頭のご挨拶
                          (公財)千鳥ヶ淵戦没者墓苑奉仕会
                            会長 津島 雄二

                                

明けましておめでとうございます。              

皆様には御家族ともども恙なく平成二十九年の新春をお迎えになられたこととお慶び申し上げます。

 今年も又、こうして平和で穏やかな新年を迎えることができました。今日このような日本の当たり前の事も、かの大戦においてかけがえのない尊い一命を捧げられた多くの戦没者の皆様の礎の上に築かれているものであることに想いを致し、新春にあたり心から全戦没者の皆様に対する哀悼と感謝の誠を捧げたいと存じます。

顧みますと、昨年は十月十八日のわが奉仕会最大の事業であります「秋季慰霊祭」にあたりましては、寬仁親王妃信子殿下の御臨席を仰ぎ、また各方面のご支援とご協力を得まして、厳粛、盛大に式典を挙行することが出来ました。ここに関係各位の皆様方に対し心から御礼申し上げます。

千鳥ヶ淵戦没者墓苑には、昨年、新たに二千三百三十七柱が納骨され、現在三十六万四千八百九十六柱のご遺骨が奉安されています。当墓苑に祀られますご遺骨は、先の大戦における海外での全戦没者、二百四十万人を象徴するものであり、当墓苑は全戦没者追悼の聖苑にほかなりません。 私どもはこの墓苑を日本国民全体の聖苑として、各方面から幅広く、子々孫々まで、末永く奉賛されるよう日頃から努めているところです。

現在、千鳥ヶ淵戦没者墓苑に於きましては、英霊の慰霊奉賛に対しまして、年間を通じ遺族会、戦友会、並びに篤志団体による慰霊行事、宗教団体の慰霊法要等が行われ、又多くの一般の方々のご参拝を頂きました。 改めて国民の皆様による戦没者への慰霊奉賛に対して心から敬意を表するものであります。

一方で、未だ海外各地には百十二万余の多くの戦没者ご遺骨が残されており、一刻も早く、一柱でも多くの戦没者ご遺骨の祖国への御帰還が待たれます。昨年四月には、国会に於いて、「戦没者の遺骨収容推進に関する法律」が制定されました。ご遺族はもとより日本国民の多くが、今後の遺骨収容の大なる進展に期待するものであります。

戦後七十一年が経過し、戦友会、遺族会の方々の高齢化も進んでおります。その中にあって私どもは、先の大戦の記憶と、戦没者に対する慰霊奉賛の心を風化させることなく、確実に次の若い世代に引き継いでいくことが喫緊の課題であると思っております。どうか皆様におかれましては、戦没者慰霊奉賛の輪が更に広げられますよう、今後とも引き続き暖かいご支援を賜りたくお願い申し上げます。

終わりに新年の皆様方の一層のご多祥とご健勝をお祈り申し上げまして年頭のご挨拶と致します。