千鳥ケ淵戦没者墓苑の施設等


戦没者墓苑の施設
政府においては、戦没者墓苑の建設にあたり、簡潔で尊厳感のあること、相当多数を収容し記念行事を行いうること、特定の宗教様式にとらわれないこと等を基本設計の方針として、この戦没者墓苑を建設することになりました。建設後も時代の要請に応じて改善してきておりますが、この基本理念は生かされ簡潔で尊厳感のある中に親しみを感じさせてくれる立派な戦没者墓苑となっております。

敷地は二辺がお濠に面し、道路から皇居の森が見えます。参詣する人は東西の門から参道を経て前屋正面に至り、そこから本屋・六角堂を眺めることができます。


墓苑全景

陶棺(六角堂内)
当墓苑の敷地は約5000坪。常緑樹を主とし、そこに欅など落葉樹を交えるといった戦没者墓苑に相応しい厳かさ、静けさを保つ工夫がなされました。創建当時、低かった樹木は大きく成長し、特に楠、欅などは鬱蒼と生い茂当墓苑の厳かさを一層感じさせてくれます。 六角堂の中には日本古代の豪族の寝棺を模した陶棺が据えられています。そこには、昭和天皇から賜った金銅製の納骨壺が入っています。その壺の中に、海外のそれぞれの地域で亡くなられた方々を代表する御遺骨が納められています。
 

昭和天皇御製碑
今上天皇御製碑
   「くにのため いのちささげしひとびとの
          ことをおもへば むねせまりくる」
墓苑創建の年の秋、昭和天皇陛下から下賜された御製を秩父宮妃殿下が謹書され、昭和35年(1960年)3月28日竣工したもの
   「戦なき世を歩みきて思ひ出ず
          かの難き日を生きし人々」
終戦60周年を迎えるに当たり、新春「歌会始の儀」で詠まれた今上陛下の御製を、常陸宮妃殿下が謹書され、平成17年(2005年)9月27日竣工したもの。
前屋・休憩所
休憩所
ここは、本屋・六角堂の墓前で参拝を終えられた方々のための一時休憩所です。 前屋の両側には献花台が設けられ、毎週、帝国華道院の先生方によりこの献花台に活け花の御奉仕を頂いております。 休憩所のなかに、(公財)千鳥ヶ淵戦没者墓苑奉仕会事務所が置かれ、 参拝者のお世話をさせて頂いています。広間は参拝者休憩所となっており、壁の周囲には、遺骨収集時に遺骨の周辺にあった 戦没者の遺品が陳列されています。また、二階には、式典等に際して貴賓の方々の御休憩を頂く、貴賓室が設けられております。

戦没者墓苑の植樹
戦没者墓苑建設にあたって、植樹は、全日本無名戦没者合葬墓建設会(総裁 吉田茂氏)が、全国市区町村を通じて募金した全国民の真心のこもった拠金約570万円が充当され、喬木、灌木合計1800本が植樹された。その後、関係官庁の手によって年々各種の樹木・花木が補強され、現在約4000本に達している。
 植樹にあたっては、墓苑の静寂・荘厳な雰囲気に相応しい常緑樹を主体にして、花木は極力おさえられた。それでも、四季折々の花が少しずつ咲き、四季の移ろいを感じさせてくれる。


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