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初めての語り部事業を実施
2026年08月24日

初めての語り部事業(戦没者の遺骨に思いを寄せて)

 8月21日(金)、中高生25名を中心とする立正佼成会静岡支教区の皆さんが来苑され、墓苑として初めての「語り部事業」を実施した。語り部には卜部桜子氏を招き、戦没者への慰霊と平和への思いを新たにする機会となった。

 8月21日は、奇しくも占守島(しゅむしゅとう)の戦闘が終結した日。語り部は冒頭、「8月21日は何の日かご存じですか」と問いかけ、終戦後に行われた「占守島の戦い」について語った。

 日本では8月15日を「終戦の日」としているが、占守島ではその後の8月18日未明、ソ連軍が侵攻し、戦闘が始まった。占守島には約8千人の日本軍部隊が駐留しており、終戦を知って武装解除を進めていた矢先の出来事であった。第五方面軍司令官・樋口季一郎中将は、ソ連軍の侵攻を阻止するため戦闘を指示し、日本軍は4日間にわたる激戦の末、8月21日に武器を置いた。この戦いでは多くの日本兵が命を落とし、その後の北方領土の占領やシベリア抑留にもつながっていった。

 さらに語り部は、戦没者の遺骨収集についても触れた。海外や遠隔地で亡くなった戦没者の中には、戦後長い年月を経ても故郷に帰ることのできない方々が数多くいる。収容されたご遺骨は、身元が判明すればご遺族のもとへ届けられるが、身元が分からないご遺骨などは、ここ千鳥ヶ淵戦没者墓苑に納められている。

 墓苑の六角堂には、これまでに収容された37万柱を超えるご遺骨が安置されており、遺骨そのものが見つからない戦没者のために、戦地の土や砂を焼いて作られた陶棺も納められている。こうした話を通じ、戦没者の遺骨を故郷へ帰すことの大切さについても、参加者に伝えられた。

 語り部の最後には、「東京に来た際には、ぜひ千鳥ヶ淵戦没者墓苑を訪れ、『おかえりなさい』と声をかけてください。そして、平和の中で元気に暮らしていることを報告してください」と呼びかけた。

 終戦から長い年月が経った今も、故郷への帰還を待つ戦没者がいる。占守島の戦いを通して、戦争の記憶を風化させず、戦没者への慰霊の心と平和の大切さを次世代へ伝えていくことの意義を考える機会となった。